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【美術展記 #2】因幡国からやってきた「因幡堂 平等寺」

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"京に飛んできたお薬師さん"

というなんともキャッチーなフレーズとともに、龍谷ミュージアムで開催されている企画展「因幡堂 平等寺」に行ってきました!

龍谷ミュージアムに来たのは初めてで新鮮な感覚。エレベーターで3階に上がると企画展が、そして2階にシリーズ展が開催されています。

龍谷ミュージアムは、トーハクのように、何室にも分かれて展示されているわけではなく、1フロアが突き抜けで展示が完結していて、個人的にはこじんまりしていて好きな博物館。

今回の展示で私が最も美しいと思ったのは木造如意輪観音坐像。

13世紀の鎌倉時代の作品で、表面は金泥塗り。物憂げな表情は一層美しさを際立たせます。

よく右手に宝珠を持っている如意輪観音像が多いですが、どこかに行っちゃったのか、もともと作られていなかったのか、どっちだろう…何かを持っていたような手つきなのは明らかだけど。

もう一躯いらっしゃっていた如意輪観音坐像は13〜14世紀、鎌倉時代の作品。上記とは対照的に装飾品や持物が少なく、法輪のみの針葉樹の寄木造りで、見比べてみても、こちらの如意輪観音像の方が煌びやかさが目立ちます。

でもこうやって、如意輪観音像は何百年も何を考えているんだろう…想像するだけで、ロマンを感じる。

木造毘沙門天立像は13世紀、鎌倉時代の作品。玉眼の目が輝き、一際イケメン…!まるで漫画やアニメから出てきたかのような美形さ…!

この兜も伊達政宗のような、イケメン戦国武将を想起させますね。

頭頂に兜で潰れた髻を浅く彫り出し、別製の兜をかぶせる。この仕様は、鎌倉時代にとくに隆起した生身信仰を反映した表現の一つとされる。

これが鎌倉時代に作られたのか…!と思うほど精巧でイケメンで惚れ惚れします。これはオススメの一躯。

シリーズ展はアジアの仏教と称し、各国の仏像が展示されていて、特にガンダーラの仏像なんかは、アジアンな感じというより西洋彫刻のような面持ち。

そのほか、タイやミャンマー、カンボジア、おなじみ中国の仏像も集結していました。

国によって、仏像の顔つきも違うので、各国から集められた仏像が一挙に展示されているというのは、なかなか発見も多い。

龍谷ミュージアム自体は、京都駅からそこそこまあまあ歩くので、元気なときに向かうのがおススメです。(笑)



ということで、長い1日になりましたが、これでもかってくらいの仏像充な1日となった2019年ゴールデンウイーク。

目まぐるしい毎日がすでに始まっているわけですが、皆さま体調にはお気をつけて。


それでは

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