【美術展記 #1】空海が込めた思いは現代へ。特別展 国宝「東寺」空海と仏像曼荼羅
4月。上野・東京国立博物館で開催されていた 特別展 国宝「東寺」-空海と仏像曼荼羅- に行ってきました!
お花見シーズンもあり、賑わう東京国立博物館で、第1章〜4章まで繰り広げられる「東寺」展。
1章〜2章は後七日御修法の再現や密教法具、曼荼羅図を含む絵図が多く、3章に突入すると、迎え入れるのが「兜跋毘沙門天立像」
平安京羅城門の前にいたと言われているこの兜跋毘沙門天は中国唐時代に作られたものと言い伝えられており、 日本式な、丸顔のふっくらマッチョ仕様と比べて、腰の位置の高いスレンダー小顔な様相が、まさに中国式といった印象。
(スタイリッシュな中国仏像もいいけど、個人的には、ぼてっとした日本仏像が好きなのは見慣れてるからかしら…?)
第4章に入ると、東寺の立体曼荼羅が一室にずらっと並びます。今回は21体中、なんと15体が参戦!
何と言っても私の心を揺さぶったのは、降三世明王。
醍醐寺展の時に観てから好きな降三世明王。目を引かれたのは、踏みつけられているのが邪鬼ではなく、人という点。 正体は、大自在天と妃の鳥摩です。 (夫婦で踏みつけられてるというのだから、これまたなんてロマンス)
さらに注目していただきたいのは、像の足元です。明王はインドの神であるシヴァ神(大自在王)と妃のウマ(鳥摩)を踏んでいますが、お寺では高い壇に置かれているので、2人の顔は見ることができません。また、明王の足にそっと添えられたウマの、ふっくらとした左手は私のお気に入りで、隠れた見どころです。
このトーハクのブログが最強にハートフルで、このブログを読んだあとの東寺展は格別。降三世明王を100倍楽しめました…!
本当にふっくらとした上品な手が添えられていて、この表現の背景を想像しただけでご飯が進む…
(写真は購入したポストカードから)
ちなみに、後頭部はこんな感じ(笑)
光背に納まって、ひょっこりしてます。長時間スケッチするわけにもいかないので走り書きなので、ぜひ足を運んで後頭部も見てみてください!(お寺では見ることができません!)
そして、何と言っても、今回の目玉は、仏像界の貴公子・帝釈天。
実際にお写真を撮ることができます。 帝釈天を自分のカメラに収めることができるなんて、なんて贅沢… お顔も綺麗ですが、この足の指の反り具合なんか特にステキ…
最近は、こうした展覧会でお写真を撮れる機会が増えて嬉しい限りです…
ミュージアムシアターでは、「空海 祈りの形」と称して、東寺講堂内を体験できる映像コンテンツが楽しめます。
ハッシュタグとともにSNSに投稿すると、ステッカーももらえるので、是非是非感動を共有してみてください。
(VR撮影なので、一人称視点で、三半規管最弱の私は若干酔いました)
ですが、私はステッカーももらえてホクホク。
という感じで、もりもり盛りだくさんの東京国立博物館「東寺」展。
美しい仏像群が一気に楽しめる最高の空間。
ぜひぜひ上野まで足を運んでみてください!
では。